今回の「プッシュ!」は、「グ・ラ・メ! 〜大宰相の料理人〜」「aki」の大崎充先生がゼノン初登場! 女性を描かせたら右に出る者がいない大崎先生が、初の「ファム・アンファン(子供としての女)」に挑戦。女性と子供の狭間、人間とロボットの狭間の絶妙な女の子を表現した美しい描線を存分に堪能してください☆

—まずは今までの主な経歴を教えて下さい。

大崎:コミックゼノン前身のコミックバンチでデビューした大崎充です。座右の銘は「神は細部に宿る」と「明日やろうはバカ野郎」です。「グ・ラ・メ! 〜大宰相の料理人〜」全13巻現在はプロ雀士を目指す少女を描いた漫画「aki」を近代麻雀オリジナルにて連載中。単行本1巻〜発売中。作品の公式PVがニコ動、youtubeにて現在配信中です。

—今回の作品を描こうと思った経緯を教えて下さい。

大崎:単刀直入にニヒリズムに片足を突っ込んだ自分を、引っこ抜きたいと考えたからです(笑)。そんな時に、昔読んだアメリカのSF小説「ヴァーチャルガール」(エイミー・トムスン著 ハヤカワ文庫)に影響を受けまして。「マギー」という「ヴィヴィ」と同じロボット少女がヒロインなのですが「彼女の純真無垢な存在は現代人の乾いた心への保湿効果があるのでは?」と思い執筆に至りました。…ある意味では自分へのお為ごかしですね(笑)。

—いつもながら女性キャラが魅力的な大崎先生ですが、今回の年齢が低い女性というのは描いてみてどうでしたか?

大崎:難しかったですねぇ…ファム・アンファン(子供としての女)の存在は初めての挑戦ですが、描き足りないですね。既視感バリバリの属性キャラにだけは死んでもすまいと奮闘したつもりですがいかがなもんでしょう……精進します…。シモン君のピグマリオニズム(人形愛)はにじみ出ていると思いますが(笑)。でも楽しかったです。

—今回の原稿で苦労した点は何ですか?

大崎:別の連載の合間を縫って描いたので、原稿を見直すたびにヴィヴィの顔が「誰コレ?」状態に…。その度に描き直しをする私を見てスタッフが呆れてました(笑)。

—ズバリ見所はどこですか?

大崎:では私の視点でこだわりを2つほど。1つは背景描写ですね。近未来の設定ですが、1929年の世界恐慌後をモチーフとしています。読切なので描写はわずかですが、当時の資本主義経済の爆発と破綻、モラル革命、社会格差は現代社会の影と同化しますね。もう1つはラストのコマのヴィヴィの表情でしょうか。読者の皆さんがどう受け止めるのか楽しみです。

—最後に一言お願いします。

大崎:これからも女性(ロボット含)の強さと優しさを描いていきます。是非感想をお聞かせ下さい。


大崎先生の魅力はやはり女性キャラの美しさだと思います。「可愛さ」ではなく「美しさ」。そこには凛とした意志の強い瞳を持った女性がいつも登場するのです。「可愛さ」がどんどん記号的に配置されて行く昨今、瞳の強さで「生きている」感触を確かめられる先生のキャラはいつも「美しく」て、僕はうっとり魅入ってしまうのです。そんな大崎先生が挑戦した<生きてはいない>アンドロイドの物語。どんなキャラになるのか誰より担当者が楽しみにしておりました。ぜひ読んでみてください。

アキヤマ